プラットフォームの立ち上がりまで
KOBE地域貢献応援プラットフォームの開発を通じて、人と人をつなぎたい
神戸電子専門学校
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日本マイクロソフト株式会社

今回ご紹介するのは「KOBE地域貢献応援プラットフォーム」のWebサイトを開発した廣瀨光さんです。
今春、神戸電子専門学校に入学した1年生でありながら、担当教諭である津田先生のサポートを得て開発に取り組み、シンプルで使いやすいWebサイトを見事完成させました。開発ツールは神戸市と包括連携を締結している日本マイクロソフト(株)が提供する「Microsoft Power Apps」。
はじめて使用するツールでの開発ウラ話にも迫ります。

神戸市のWebサイト開発に挑戦できるチャンスが到来!
―プラットフォームの立ち上げに参加した経緯を教えてください。
―学校で「KOBE地域貢献応援プラットフォーム」のことを聞き、新型コロナウイルスで困っている人と応援したい人をつなぐという趣旨に共感したのが興味を持ったきっかけです。このプラットフォームはマイクロソフトのビジネスアプリケーション作成ツール「Microsoft Power Apps(Power Apps)」を使って制作することが決まっており、機能体験会への参加が必須条件でした。体験会の中で改めて募集の詳細を聞き、神戸市のWebサイトに携われるチャンスはこの先ないかもしれないと思ったのが、応募を決めた理由です。選考に際しては画面レイアウトやプラットフォームの展開案などの要件定義のほか、幅広い方々にプラットフォームの存在を伝えるための拡散方法も合わせて提出。その結果、私のアイデアが採用され、開発に取り組むことになりました。
―開発で苦労したことはありますか?
―6月末から開発を始めたのですが、画面設計を終えた7月上旬になって使うツールが間違っていたことが判明…これは焦りました。Power Appsには組織内向けと外部公開向けがあり、体験会で研修を受けたのは組織内向けだったのでそれで開発していたのですが、実際は外部公開向けを使わねばならず、一から作り直すことに。8月上旬のWebサイトオープンを目指していたので、内心、間に合うのかと冷や冷やしました。それともう1つ苦労したのが、外部公開向けPower Appsについての知識と経験が少なかったことです。組織内向けについては多少の知識がありましたが、外部公開向けは初めて。調べて、理解して、即実践を繰り返しながら、無事完成へとこぎつけました。

人と人をつなぎ、新たな出会いの場になるWebサイトへと成長してほしい
―工夫した点はどこですか?
―Webサイト全体の見え方、トップページ、応募フォーム、すべて工夫しました(笑)。
なかでもPCやスマホなど、どんなデバイスでも見やすく表示されるレスポンシブデザインには特にこだわりました。オンライン授業の合間や放課後など寸暇を惜しんで開発したので、ぜひ多くの方に使っていただきたいと思っています。また、トップページに表示されるロゴマークにも注目してほしい!神戸のポートタワーをかたどった赤地のベースに白抜きのロゴが記載されているのですが、ポイントはKOBEの「E」とwithの「W」を一文字で表現したところ。実はこれ、私の同級生の作品で、ぜひ作ってほしいとお願いしてページ上での同級生コラボを実現することができました。
―プラットフォームをどう使ってもらいたいですか?
―このプラットフォームはコロナで困っている人と応援したい人をつなぐ場であり、また応援したいと思っていても「自分1人の力では…」と迷っている人が同じ思いを共有できる仲間を探す場でもあると思っています。プラットフォームがさまざまな方々の出会いの場となり、その方々と一緒に成長してくれることに期待しています。
―開発に携わる前と後、心境の変化などはありましたか?
―今春から地元香川県を出て神戸で一人暮らしを始める予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でまだ一度も登校できていません。(2020年8月4日現在)授業はすべてオンラインで、クラスメイトとも画面越し。今後もいつ登校できるかわからないなかで、「KOBE地域貢献応援プラットフォーム」の開発に参加できたのは自身の成長につながったと感じています。
Web会議システムを使った神戸市の方との打ち合わせや納期があるなかでの開発、クライアントの要望を理解してそれを正しく開発に落とし込む難しさなどは、このプロジェクトに参加しなければ決して経験できなかったことです。こうした経験を生かすとともに、神戸電子専門学校でさらなる知識とスキルを身につけ、将来はWebクリエイターとして人を楽しませる仕事に携わる夢を叶えたいと思っています。
■廣瀨 光さん Hikaru Hirose
神戸電子専門学校 IT分野 情報処理学科
WebエンジニアⅠコース 1年生
「学校で学んだITスキルを生かし、将来は人を楽しませるコンテンツを生み出すクリエイターになりたい。」と語る廣瀬さん。PBL(問題解決型学習)を実践する神戸電子専門学校の教育方針に惹かれて入学を決めた。

シンプルで使いやすい。これもこのプラットフォームの魅力
―津田先生、プラットフォーム開発を通じて廣瀨さんはどのように成長しましたか?
―開発に使うツールが間違っていたというアクシデントはあったものの、こまめに連絡をくれていたので、すぐに軌道修正することができました。未経験のツールを使うことで新たなスキルを習得できたのも、彼にとっての成長ですが、それ以上に神戸市の方々とのやり取りを通じて学んだことの方が大きいと感じています。将来、エンジニアとして仕事をするうえで大切なのは、プログラムを組むことよりも人とどうコミュニケーションを取るか。何気ないやり取りの中で相手の言わんとすることを正確に理解して開発に落とし込み、また同時に信頼関係も育んでいかなければなりません。このことを同級生より一足早く経験できたのは、きっと彼の財産になると思います。
―最後にプラットフォームへの感想をいただけますか?
―2画面構成のシンプルなつくりなので見やすく、とても使いやすいと思います。応募フォームでニックネームを許可しているのもいいですね。行政のシステムというと色々と手続きが煩雑な印象がありますが、これは気軽にやり取りできる。思い立ったらすぐ応募できる使い勝手の良さが後押しになり、より多くの方に使ってもらえるのではと思っています。
■津田 孝夫さん Takao Tsuda
神戸電子専門学校 担当教諭
システムエンジニアとして20年以上のキャリアを誇る津田さんは、神戸電子専門学校で教鞭をとって4年目。廣瀨さんの担当教諭として今回のプロジェクトを陰で支えた立役者だ。廣瀨さんの主体性を尊重したいとつかず離れずの距離で見守りながら、プロジェクトを成功へと導いた。